こんにちは〜しんたろうです。
2021年12月16日に発表されたイングランド銀行政策金利ですが、今まで0.1%だった金利が0.25%に引き上げられました。それを受けポンドも大きく動きチャートにも変化が出ております。
価格が大きく動く経済指標発表時にエントリーしていれば運が良ければ大金が稼げるでしょう。しかし万が一、もしトレード直後に逆の方向へ相場が動いたら怪我だけでは済まないかもしれません。
なので今回は改めて経済指標発表時の値動きでエントリーするとどうなるのか解説させていただきます。
こんな方におすすめ
- チャートの値動きに翻弄されてしまう方
- 急激な変動に飛び乗ってしまう方
- 重要な経済指標時にエントリーしてしまう方
- 経済指標を甘く見てしまい痛い目にあった方
経済指標の値動きでエントリーすると・・・
まずこちらのチャートをご覧ください。
こちらはEURCHF月足チャートです。
見て頂くとわかりますが、大きく下落しております。これを見ると「こんなところからエントリーしたらたくさん稼げるな~」と妄想を膨らませてしまうかもしれません。
しかしこの値動きは一日~数週間かけてゆっくり動いたのではなく、言葉の通り「一瞬」で動き、一つの証券会社を倒産に追い込むほどの損失を出しております。
2015年1月15日のことでした。私はこの時、勉強会を開催していたのですが、生徒様と一緒にどうすることもできないチャートを観察していました。スプレッドも意味がわからないくらい開いておりましたし、デモトレードで試しにエントリーしてもトレードが成立せずトレードするたびに強制ロスカットにあっていました。
もちろんこんな突発的な値動きは10年に一度あるかどうかです。しかし明日起きてもおかしくないこともまた事実です。何故ならこのスイスフランショックはスイス国立銀行が発表したたった一つの経済指標により買い注文が殺到。たった20分の間に世界中のトレーダーのポジションを強制ロスカットさせる事件にまで発展したのです。
私たちはあらかじめ計画されている経済指標を知ることはもちろんですが、その経済指標が為替に何をもたらすのか知らなくてはいけませんし、それがいつどこで起きていいように準備をすることを怠ってはいけないのです。
チャートの右側は地雷原
ちなみに先程の急落ですが、年が明けてからすぐだったので私自身も油断しており、まさかスイスの経済指標で動くなんて・・とかなり甘く見ていたことは今でも反省すべき点です。
年が明けるたびにスイスフランショックの思い出が蘇ってくるので毎年、新年に心に刻む教訓にしております。
アップルショックの時もそうだったのですが、年が明けた一月〜三月あたりに急激に動く○○ショックが発生しているように感じます。そうでなくても年明けですから何をするにしても何かが起こる可能性は常に考えておこなくてはいけません。
来年もどんな○○ショックが訪れるかは全くわかりませんし、え?嘘でしょ?と思うような値動きをするかもしれません。ただわかることは○○ショックが起きたらとんでもなく動くことだけは確かな真実です。なのでファンダメンタルズ分析もテクニカル分析も怠ってはならないのです。
しんたろうの勉強会は殆どテクニカル分析の勉強会です。しかし経済指標を無視することは絶対できませんし、どこの国が今注目を浴びているかという基本的な情報は常に知らなくてはいけないと考えております。
なので安易にチャートを過信しすぎないように注意し、自分の勝手な妄想と考え方でチャートを見ないように気をつけなくてはいけないのです。
経済指標発表前に何を準備すればいいのか
重要な経済指標前は何が起きるかわかりませんので、相場に参加されている慎重なトレーダーは必ず様子見になりますし、ボラティリティーに関しても弱くなるので殆どやることがないように感じるかもしれませんが、そんな時こそ何が起きてもいいように下準備は欠かさない方がいいと思います。
1、資金管理
重要な経済指標前は出来るだけポジションを解除して様子見することが望ましいのですが長期的なトレードをされているのであれば、例えばポジションの一部を解除したり、何が起きてもいいように証拠金を減らすような作業はすべきではないでしょうか。
損切りを入れるのは当たり前の作業ですが、突発的な値動きの場合、あらかじめ決めた損切りポイントを大きく飛び越えてから損切りされることもがあります。これは注文に対してFX会社のサーバーが追いついていない場合に起きることですが、FX会社によっては補償対象外となるケースもあり、注意が必要です。
なので出来るだけポジションを解除するか減らすような努力は重要な経済指標前に行うことを強くおすすめいたします。
2、水平線
重要な経済指標前に参加者が注目している水平線を予め確認することは絶対に行っておいた方がいいと思います。
考え方はこうです。まずチャートにある高値安値やローソク足が何度も挑戦したけど押し返されるようなレジスタンスラインなどを見つけます。ある程度の水平線が確認できたら、経済指標発表時に確認した水平線を割り込むのかどうか確認することで、本当に重要な水平線かどうかを判別することが出来るのです。
「この水平線は本当に生きているのか?」と確認することで、もし政策金利のパワーを使っても敗れなかった水平線であれば、参加者の目には「ここから急激に反転するかも・・・」と映るかもしれません。
なので日足でも4時間足でも直近の目立つ高値安値や何度も挑戦したけど突破できなかった水平線を経済指標発表前に探すことはとても重要なことなのです。
3、波のカウント
ダウ理論によると平均はすべての事象を織り込むとあります。これは戦争でも災害でも経済的危機でもトレンドからみれば予定されていたイベントであり、どんなイベントが発生しても結局トレンドに織り込まれてしまうということです。
例えばトレンドがダウントレンドにあって、トレードしている通貨ペアに影響を及ぼす事件が合ったとしましょう。でもその結果が悪くても良くてもトレンドから見ればただのイベントであり、高値試しやトレンド継続の言い訳に使われるので、結局ダウントレンドを形成するための養分にしかならないのです。
経済指標の結果が良かったのにチャートが反転し、自分の予想と逆方向へ動き出した経験が読者様にもあるのではないでしょうか。自分が立っている現在地によっても経済指標後の値動きは変わってきますから、結局私達は経済指標の結果よりも、日時、経済指標の重要度、そしてトレンドと現在地で判断するしかないのです。
あの動きは何だったんだろう?
そんな疑問を抱えるよりも長期足を見て分析を行ったほうが私は効率的だと考えております。
無理にトレードすればどうなるか分かりますか?
いつ何が起きていいように準備することがとても大切ですが、もっと大切なことがあります。それは飛び乗らないことです。
大きく動いたからと言って必ずしも、もっと動くと考えてはいけません。上記チャートは2020年3月に起きたコロナショック時のチャートの値動きですが、このときもしっかり私はチャートと向き合っていたので今でも鮮明に覚えております。
この時、午前中からチャートを観察していたのですが、普段は動かない時間帯なのに急激に下落し、持っていたポジションがどんどん膨らむことに驚きを隠せませんでした。デイトレード用のポジションを持とうと計画しエントリーしていたので、まさかこんな短期間でとんでもない利益になるとは夢にも思っておらず、反転したら嫌なので途中でクローズしてしまったのです。そのあと更に急激に下落し、上記チャートのような形になってしまいました。
「もうちょっと持っておけばよかったかな~」と反省した点もありますが、このチャートの後半を見ていただくと分かると思いますが、その後急激に反転し、何事もなかったかのように元の価格に戻っております。とっさの判断だったとは言え、結果、クローズしておいて良かったのですが、もし急激に動く値動きに翻弄されて飛び乗ってしまったとしたらどうでしょうか。
トレンドも判断せずチャートの値動きだけでトレードしていたとしたら、その瞬間はたくさん儲かるかもしれませんが、長続きはしませんし次回同じことをしても同じ結果になるとは言えません。
それに飛び乗りは損切り幅が大きくなるだけでなくメンタル的にもよくありません。狙ってトレードするのとは雲泥の差が出るので絶対に行ってはいけないトレードです。
もちろんどこでエントリーしても勝敗は50%になりますから飛び乗っても一緒では?と考えてしまうかもしれません。しかし計画されてポジションを持ったものと無計画でポジションを持ったものとでは、見ているチャートが違うはずです。なのでトレードする前はしっかり計画してどこで損切りするのかどこで利食いするのか考えなくてはいけないのです。
今回、コロナショックで中途半端な利食いしたことは今でも心に残る反省点ですが、メンタルに負荷がかかるようなトレードは避けるべきなので、急激に動いた場合は一回ポジションをクローズしてチャートが落ち着くまで待ってから再開するほうが望ましいと思います。
まとめ
私の師匠が言っておりましたが、「経済指標はおやつ」らしいですw どんな経済指標が来ても落ち着いて相場を観察しているので、経済指標発表時の値動きを見てから判断しトレードして証拠金を増やしておりましたが、私も真似してトレードしても師匠と同じ結果にならないので向き不向きがあるのかもしれません。
ですがそれでも今回の〇〇ショックの恐怖を忘れてはいけませんので、読者様も新しい年を迎える前に気を引き締めて明日何が起きてもいいように下準備を行っておいてください。ここまでお読み頂き真にありがとうございました。