こんにちは~しんたろうです。
この「フィボナッチを知る」コーナーを始めてから益々フィボナッチの不思議な特徴を垣間見えてきたわけですが、MT4には色々なフィボナッチが用意されております。
今回はそのツールの中の「フィボナッチ・タイムゾーン」を一緒に学習していきましょう。かなりマイナーなツールですが、使い方によっては化ける可能性がありますよ。
フィボナッチ・タイムラインとはどんなツールなのか?
フィボナッチ・タイムゾーン(以下:タイムゾーン)ですが、フィボナッチ・リトレースメントが縦軸(価格)の分析で使用されるのに対し、タイムゾーンは横軸(時間)の分析で使用されます。
チャートのある波にタイムゾーンを当てると、上記チャートのようになるのですが、注目すべきポイントは、波の高値安値がタイムゾーンとほぼぴったり合うことです。タイムゾーンを使用することによって将来現れるであろう高値安値を知ることが出来るので、転換がどこから発生するのか?修正波がどこから現れるのかなど、重要な情報を事前に知ることが出来るようになります。
フィボナッチ・タイムゾーンの設定方法
まずはタイムゾーンをチャートに設置してみましょう。
インストールしたばかりのMT4やMT5では使用できないので以下のように設定してみてください。
以上のように設定していただくか、MT4のメニューから「挿入」タブをクリック→フィボナッチを選択→タイムゾーンを選択 割り当てたいチャートに設置で、いつでも使用できますので、便利で使いやすい方法で設定してみてください。
フィボナッチ・タイムゾーンの引き方
それでは早速チャートにタイムゾーンを割り当ててみましょう。引き方は簡単ですので誰でも引けますよ。
アップトレンドは安値から高値
ダウントレンドは高値から安値
このようにタイムゾーンを引いていただければ、正しく機能します。
ただどの波でも良いのかと言うとそうではありません。エリオット波動論でいう推進波第一波に対して引く必要がありますので、注意が必要です。
試しに修正波にタイムゾーンを当ててみました。こうやって見てみるとタイムゾーンと修正波中に現れる高値安値が合わさることなく動いているのが分かります。
ということは修正波では全く当てにならないということが分かりますので、推進波になった箇所でタイムゾーンを使用しなければ意味がないということになりますね。
フィボナッチ・タイムゾーンを使用した相場環境認識
実際のチャートにタイムゾーンを割り当ててチャートを分析してみましょう。
タイムゾーンを使用すると、0.1.2.3.5.7.13・・・のようにフィボナッチ数列の数字が現れます。
デフォルトでは34まで数値がありますが、多すぎても少なすぎても分析に支障が出るだけなので、このあたりの数値はあまり変更しないほうが良いと思います。
この数値と注目する高値安値が重なるあたりを注目することがタイムゾーンを使った相場環境認識で大切なポイントとなります。
ということはエントリーで使用するというよりも、利食いポイントや波のゴールを算出するのに使用したほうが良いことが分かりますね。
上記のチャートをご覧になっていただくと、正確なポイントと言うよりも「このあたり」といった感じで高値安値が出現しております。
なのでタイムゾーンだけではなく、リトレースメントやエクスパンションを同時に使用して相場環境認識を行っていただければ、効率よく利食いポイントを知ることが出来るようになるのではないでしょうか。
先程のチャートにタイムゾーンとエクスパンションを割り当ててみました。
価格と時間を分析するフィボナッチを使って、ラインが交差するところを見てみると、ローソク足や波にちょっとした動きが付いているのがよくわかります。
ですが、タイムゾーンはそこまで正確なツールではなく、あくまでも「このあたり」を探るためのツールなので、エクスパンションと組み合わせて使用したとしても、ラインが交差するポイントが必ずしもエントリーポイントや利食いになるとは限りません。
トレンドや波の理解を行った上で使用し、最後のひと押しにタイムゾーンを使用するのが、効率よくトレードが可能になるのではないでしょうか?
フィボナッチ・タイムゾーンの注意点
タイムゾーンは時間を分析するフィボナッチツールなので、チャートが時間に対して正確でなければいけません。FX会社や証券会社が扱っているチャートソフトにも気を配らなければ精度の高いタイムゾーンを引くことは難しいでしょう。
しんたろうのFX勉強会ではOANDA JapanやFXトレード・フィナンシャル(ゴールデンウェイ・ジャパン株式会社)で扱っているMT4を推奨しており、一週間の日足本数が5本という精度の高いチャートがタイムゾーンでは必須になります。
一週間の日足本数が6本になると週足や月足でタイムゾーンを使った分析に誤差が生じることになり、より精度の高い高値安値を算出することが難しいと判断したためです。
なので出来るだけ日足5本足MT4やチャートを取り扱っているFX会社、証券会社のソフトの使用をおすすめ致します。
もう一つの注意点は、短期すぎるチャートではあまり使用を控えたほうが良い点です。
重要な高値安値を算出するのであれば、4時間足以上のチャートで採用したほうが、効率よくトレードが行なえますし、チャートが将来どこの高値安値に向かっているのか考える上でもタイムゾーンは有効であると考えております。
こちらのチャートでは短期に対してタイムゾーンを割り当てて分析してみました。
一見すると長期足と同じように高値安値付近とタイムゾーンが交差しているポイントがあるように見えますが、短期足では推進波になっているように見えても、長期目線からすると修正波の一部分だったりするわけなので、正確なポイントを探るという目的で使用するのであれば短期足を使用するタイムゾーンはおすすめできません。
それよりも相当頭が混乱すると思いませんか?長期はアップトレンドだけど、短期はダウントレンド・・・・5分足はダウンだけど1時間足はアップトレンド・・・・????どっちのトレンドを信じてタイムゾーンを割り当てるのか冷静に考えたとしても分からなくなってしまいますよね^^;
そうならないためにも分析するチャートは出来るだけ少なくし、例えば勉強会で採用している4時間足、日足、週足だけでトレードするようなスタイルにしていただければ、相場環境認識を行うチャートも少なくて済みますから、余計なことを考えなくて済むようになります。
あくまでもタイムゾーンを使った相場環境認識では、「このあたり」としたザックリした考えと視点でいることが重要なポイントになりますので、かなり精度の高い正確なツールとしての使用は避けるのが懸命ではないでしょうか。
まとめ
フィボナッチツールの中ではかなりマイナーなタイムゾーンを一緒に学習してみましたがいかがでしょうか?
意外と使えそう~と思った方もいれば、必要ないかな?と割り切った方も多いかと思います。
推進波になったら使ってみよう~!これくらいの考え方で私は問題ないと思いますので、過信しすぎて墓穴を掘らないように「このあたり」といったザックリとした考え方でチャートを分析できるように割り当ててみてください。
まだまだフィボナッチツールはありますので、次回も一緒に学習していきましょう。ここまでお読みいただきありがとうございました。